最近、若い子にそんな質問をもらったのですが、
*若い風のFORBEATZくん
「ちゃんと朝まで踊れるいい音を探しているんだよー!」
上記のように答えています。
僕はDJをやる際に、やり慣れているクラブや鳴りを知っているクラブ以外は、
なるべくサウンドチェックをするように心がけています。
会場が違えば、キャパも作りも違う。当然、音の鳴り方もさらに言えば会場に足を運んでいる方も違います。
僕は単純に「自分の好きな音」を一律どこの会場でも鳴らしたいので、そのためにサウンドチェックをじっくりします。
ちなみに、「自分の好きな音」は自分の中で「いい音」と同じです。
*いい音には個人差があるのですが、あえて自分の定義でここでは話します。
そもそも、いい音とは何か?
僕が思ういい音とは、どんなに音量が大きくても小さくても自然と身体が動いてしまうバランスの鳴り方で、何時間でも自然と聞けてしまう鳴り方。
もっと言えば、足の裏に張り付く(暴力的ではない)低音感と、そのジュウタンのような低音の上でシンセやヴォーカルなどの上物が前後左右(3D)に鳴っている空間をイメージしています。
個人的にはやっぱりYellowが近かったかな〜!?
昔のagehaのROSEルームもよかったな〜。
あとはIBIZAのSPACEとベルリンのどこかのクラブw
サウンドチェックとはなにか?と言われれば、そのいい音を探すための一番大事な作業と言えます。
上記でいい音の定義は説明しましたが、
さて、本当にいい音だけで、お客さんを踊らす事が出来るのか?
もっといえば、自分がいい音と思っている音が必ずしも全員にとっていい音なのか?
この部分をもっと考えねばなりません。
そこを語る上では、時代背景(どうやって音楽に触れてきたか)も無視できません。
ここは憶測で話します。
例えば、
・クラブがアナログ全盛時代の90年代のお客さんが初めて聞いた音楽ツールは、恐らくレコードやカセットテープやCDではないかと思います。
・僕らの世代(30代)にようにクラブがアナログとCDがメインの2000年代のお客さんが、初めて聞いた音楽ツールはCD、MD、カセットテープ、まれにレコード。
・PCやデータからDJを始めたような子が多い1番若い世代の子は、さらに新たなツールで音楽を聞いてたと聞きます。一部ですが、CDコンポを知らなかったり音楽は携帯電話で聞いてしまうなどの話も聞いたりします。
上記のような背景があれば、初めて音楽を聴いたツールがその個人の基準値になるので、個人個人にとっていい音なんてモノはバラバラな訳です。
また、会場の特性や地域性もあります。
・今の流れを踏んだんに取り入れている大型のクラブ
・昔からルーツを大事にしている老舗のクラブ
・生音に特化してフロアを限りなくDRYにしているLIVE型のクラブ
・若い子に伝わりやすい派手めな鳴りに設定しているクラブ
それぞれのクラブの鳴り方も全く違います。これに関してはジャンルに向き不向きがあるとはっきり言えます。
最近、「MP3なんてダメだ!WAVしかあかん!」なんて、言葉も拝見。
とても作り手な立場的には嬉しくて、制作の意図も組んでくれてそうで、泣くくらいに嬉しいのです、、、
がががががががが、、、、、、、
箱の特性を意識してないDJさんも多く見受けられます。
たまに、「ここでこれを聞くのはつらいな〜。」な時もあります。
せっかくのWAVの音源も鳴らし方によってはMP3以下になります。
なので、もっとよく鳴らすためにも、その辺も改めて見直して欲しいです!!
また、地域性の話ですが、ここも地域によってお客さんのフロアー特性があります。
・朝まで元気な大都市
・ずっと音に向き合ってくれるハーコー(硬派)な地方都市
・とことんつき合ってくれるホスピタリティー溢れる九州地区
・恥ずかしがり屋でおませさんな北関東〜東北地方
・「お前は何して、どう楽しませてくれるの?」な遊びにどん欲なる外国
・1つの事だと空きが来やすい立川や西東京周辺w
・パーティー後に漫談を求められる関西の先輩www KJMの方ですw
*KJMの先輩です
ここら辺もブースに立つ以上は読み解いてDJをやらねばなりません。
次に機材面の特性の話です。
分かりやすく言えば、アナログとCDは音の特性が違いますよね?
それくらいミキサーでもパイオニアとUREIとアレヒにも差があります。
ここでUREIを例に話をしてみます。
UREIがよいという事実は絶対です。ただ、あくまでもやりたい音に合っていればの話です。
UREIの特性はルックスがまず最高!
←これ絶対!
また、アナログ、CD、デジタルのそれぞれの音楽ソースを最大限に引き延ばしてくれる力を持っています。
←これ間違いない!
音楽の魅力を最大限に引き延ばしてくれる反面、実は、アナログ、CD、デジタルを混ぜて、DJやるのはとても困難なミキサーなのです。
←ここ気をつけて!
実際、アナログ、CD、デジタルがUREIを通過すると本当に音同士が馴染みません。
そして、そこに対して実は気付いてないDJさんも多い気がしています。
「UREI=最高」の神話を、見直すのもさらに音質向上のヒントに繋がるかもです。
*あくまでもUREI大好きです。むしろ欲しいww
僕は普段パイオニアでお願いする事が多いのですが、それは上記のようなトラブルに対して、一番音とソースの関係が安定しているからなのです。
最近の自分はUSBでDJやることが多いのですが、例えば前のDJさんがアナログだったら、なるべく自分のかける曲のHIGHを削りつつ、MIDとLOWを気持ち膨らませたりして、違和感を減らしてミックスしています。
パイオニアだとチャンネルにEQがついているので、その辺の調整も出来るのでよく使っています。
また、最近デジタルDJも多いので、オーディオインターフェースの違いも知っておいた方がよいです。
まず、NATIVE INSTLEMENTとSERATOでは全く音が違う。
個人的にNATIVE INSTLEMENT(機械的)、SERATO(人間的)なサウンドのイメージです。
また、同じSERATOでもSL1とSL2とSL3とSL4と全然音が違います。
おれはSL4推奨です。SL4は本当にふくよかな音が出ておすすめです!
ここまで、長々と書きましたが、そんなところが、サウンドチェック時に気にする心構えの話なのです。
さて、最後に、サウンドチェック時に実際自分が何をしているかを説明します。
これはけっこう単純なので箇条書きします。
1、沢山の音楽ソース(アナログ、USB、CD、PCなど)とジャンルを鳴らしてみて、自分の持っている音源の中からその会場で最も気もちくてかけたい1曲を探す。恐らく、それがその日のアンセムになります。
2、気もちい音源を見つけたら、それを中心に気もちい音量をフロアに行って探す。
3、気もちい音量を見つけたら、次にその曲が本当に忠実に再生できているかをを確認。
4.、その際に低音が足らなかったり高音がうるさかったら、削ったり足したりをPAさんにお願いして調整する。
5、そこまで進んだらGAINメーターを見て、その日のクラブで一番気もちい音量を目で確認する。記憶に自信が無ければ写メる。
6、仕上げに目をつぶってブースモニターを切って、フロアの音圧がDJブース内の自分のどの辺りまで届いているかを確認。
7、プレイ時は自分の気もちい音を信じて、先ほど書いた心構えも忘れずに楽しくDJを!!!
これでバッチリいい音鳴らせます!!保証します!!
いつも自分が現場でやっている手順です・
いい音圧をDJ前に知っていれば、フロアにとって気持ちい音量も鳴り方も間違いなくドロップできます!
*こんなに素敵なフロアーが待っています
そんなこんなで、長文でしたが、今後のサウンドチェックの参考になれば幸いです〜。
文才が欲しい瀧澤賢太郎(35歳独身)